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遺族の陳述②

 続いてご長男Kさんの陳述書です。


仙台高等裁判所第2民事部御中

                                                 2021916

                                                          控訴人    猪狩●●

                             控訴審意見陳述書

 

 

  父が亡くなってから、もう4年の月日が経とうとしています。

 ようやく家族で笑いながら父の思い出話も出来る様になった気がします。

 そうなれたのも、父の周りの友人や仲の良い職場の方などの話で、父の姿や人となり、周りに愛されていた父を知ることが出来た事、僕たちには見せなかった父のいろんな顔を教えて頂けたからです。とても感謝しています。そのお陰で、今は家族全員で前に進めてる気がします。

 現在私は地元に戻り、車を走らせる事が多くなり、次第に車に興味を持つようになりました。父が生きていたら、整備士である父と、どんな話で盛り上がったのかな?と、最近はそう思うようになりました。父が残して行った車を、修理しながら今も大事に乗っています。壊れるまで乗るつもりです。そして私の運転で、いろんなところに連れて行きたかった。それが何より心残りです。

  次に、私が福島地裁いわき支部の判決で不服に思った点を述べます。

 私は2017124日、母と叔母と3人で青森市に出向き、父が倒れた当時のER室の医師に面会しました。面会の時の録音もあります。

 医師の説明では、「あの日は急に壁が叩かれ、……事前連絡が無かった為、治療にあたり準備を行うことが出来なかった。」という事でした。ER室に事前に電話連絡が出来なかった為、治療準備が遅れたと言う事です。

  私はこの時の医師の説明を今年31日にいわき支部で証言しました。母も医師から聞いたことを証言しました。しかし、いわき支部の判決文は医師の説明を無視して「除染室到着後の治療に遅れはない」と断言しています。普通に考えて治療準備が遅れれば、治療開始も遅れるのではないでしょうか。

  また、宇徳に安全衛生管理責任が無いとした判決についても理解出来ません。

 宇徳は責任を持つから、体温、血圧、放射線量の計測を行い、朝礼でKYを実施していたのではないでしょうか。

 

  仙台高等裁判所に、再度の審理と公正な判断をお願いいたします。


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