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4月, 2021の投稿を表示しています

記者会見と報告集会

  3月30日の判決を受けて、当日行われた記者会見と報告集会の様子です。  記者会見は16時よりいわき市記者クラブにて行ないました。  まず、弁護団の齊藤弁護士より判決内容について報告していただきました。  齊藤弁護士は「猪狩さんの死について、長時間労働による致死性不整脈として労基署は過労死として労災認定している。長時間の過酷な労働があったことが示された。残業100時間を超えている。過労死基準をはるかに上回る長時間労働があった。そのことを認めた判決です。  被告は『因果関係がない』と争っていたが司法的な判断でも因果関係があると認められた。会社だけでなく、当時の代表者二人も『故意または重大な過失』があったという判断を下して、個人の責任も認められた」。と判決の意義について触れられました。 ただし、宇徳の責任が認められなかったことについては 「忠昭さんが死亡した責任、宇徳が東電から請けた現場で忠昭さんは亡くなった。責任は宇徳にもあると訴えたが、『宇徳と故人の間に雇用契約はない』と労働時間の管理も問われない。残念です。」と悔しさをにじませながら会見されました。  また、東京電力の責任についても 「忠昭さんが倒れた時、救急医療体制が機能していなかった。原発事故後の構内をは防護服を着て、緊張する作業をする。作業員の命と健康を守るため充分な体制が必要だが、裁判所はこれを認めなかった。」  「忠昭さん死亡時の記者会見も遺族に不快の念を抱かせたことは否定していないが、『因果関係を否定するまで断定的な発表はしていない』『法的な保護に値するほどではない』として棄却した。非常に不満です。」と会見されました。 原告である遺族は、忠昭さんのお連れ合いとご長男が会見に出席されました。 猪狩忠昭さんお連れ合いの発言 「労災認定に続いて、夫の死が過労死であると認められました。いわきオールの責任が大きのはもちろんですが、そもそも重大事故を起こした原発構内で働いて死亡したのに東電と宇徳が責任を負わない。これでは今後も下請け構造のなかで責任逃れが続いてしまうのではないかと危惧します。」 「大企業、元請け、下請けとか関係なくひとりの人間として、いのちを大切にするという当たり前のことを訴えてきました。何十年かかるという収束作業に携わる方々がいます。犠牲になるのは作業員で、その責任を問われるのは末端の会社。元請

くやしい勝利判決!!

  3月30日、損害賠償裁判の判決が下りました。悔しい勝利判決でした。  会としての声明等は後日発表しますが、管理者の感想を以下に書きます。  裁判所は被告いわきオールと前社長夫婦の三者に対して共同で原告(忠昭さんのお連れ合い、ご長男、ご長女)三名に合計約2500万円を支払うように命じました。  判決では、前社長夫婦が忠昭さん死亡時に代表取締役と取締役であり、忠昭さんが死亡する前の6か月間の長時間労働を「認識し、又は容易に認識することができた」と認め、「被告いわきオールの代表取締役又は取締役として、従業員の過重労働等を防止するための適切な労務管理ができる体制を何ら準備していなかった」、「(会社が安全配慮義務を遵守する体制を整備すべき)義務を悪意又は重過失により懈怠し、忠昭に過重な業務に従事させ、致死性不整脈により死亡するに至った」として会社法429条に基づく損害賠償責任を認めたものでした。  いわきオールだけでなく当時の代表取締役・取締役の安全配慮義務違反を認め、損害賠償責任を認めたことは勝利判決と言えると思います。  同時に、いわきオールが一貫して通勤時間や自由時間と主張していた、イチエフまでの移動時間とイチエフ構内での移動や装備品の準備と着脱、ミーティングの時間もいわきオールの指揮命令に基づく労働時間として認めました。  労基署による労災認定、未払い賃金裁判、そして損害賠償裁判のいずれもがいわきオールの主張を退けました。今回の判決でも、忠昭さん死亡前6ヶ月間の時間外労働が月平均100時間近くあったとして、労基署とほぼ同じ認定をしています。  判決では朝の移動時間について、コンビニに立ち寄っていたとしても時間としては僅かであること、そして「被告いわきオールの事業所から1F(イチエフ)に移動するまでの時間は被告宇徳の事務所に部品を納入する必要性などを考慮するまでもなく、業務の過重性を判断するに際しては、作業時間と同様に、被告いわきオールの指揮命令に基づくものとして、労働時間に含めるのが相当である。」としました。  未払い賃金裁判の判決に続いて、朝の移動などが労働時間であると認められたことは、イチエフや中間貯蔵施設、除染にとどまらず建設・土木や警備業など長時間の移動を前提とする労働者の権利拡大の道をまたひとつ切り開いたと言えます。  しかしながら、毎朝の納品を命じた元