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[これまでの取り組み] ①遺族の意見陳述

現在、猪狩忠昭さん遺族は「未払賃金請求」と「損害賠償」の二つの裁判を闘っています。2018年9月13日に行われた未払賃金裁判での遺族の意見陳述をアップします。
猪狩忠昭さんの写真を手に支援者へ裁判の報告を行う原告(遺族)

未払賃金請求裁判における原告(猪狩忠昭さん遺族)の意見陳述
2018年9月13日
福島地方裁判所いわき支部

この度、亡き夫猪狩忠昭は福島第一原発の廃炉作業現場において、午後の仕事に取り掛かる直前、防護服のまま倒れ、緊急救命室があるにも関わらず、直ぐに処置をしてもらうことも出来ず、痙攣をし、苦しい状態で全面マスクを外してもらう事も出来ないまま、心肺停止そしてあっという間に息を引き取りました。

その後の会社のあまりにも酷い対応に、不信感を感じ、「フクシマ原発労働者相談センター」に相談し、死亡当日の経過や死亡直前6ヶ月の労働時間を調査して頂き早朝から夜まで、過酷な労働環境の中、1Fでの車両整備の他にも部品の納品や、1Fに関わりのない車両の引き取りと納車、土曜日は会社で一日中整備士として休憩時間も十分に取る事も出来ず、有給休暇も無い状態で、週1日の休暇しか認められず、そのたった1日さえも、仕事をさせられた事もあり、それでも休む事なく真面目に仕事に従事し、過重労働の末に、時間外労働が毎月100時間を超え、その残業代を支払ってもらう事なく、夫は汗まみれのまま、現場で亡くなりました。

私は組合員となり、未払い賃金是正申告をいわき労基署に対し行い、会社と団体交渉を行いましたが、和解にいたらず、この度いわき地方裁判所に提訴致しました。
11ヶ月前に心臓手術をし、体調の悪い中でも、1日も休む事なく働いた夫に支払われるべき正当な金額の請求しかしておりません。
どうか労働者の尊厳を守り、二度と原発作業員の過労死を起こさせない事、残業代未払い等の労働基準法違反をなくす為にも賃金を払わず毎日長時間夫を酷使して過労死に追いやった会社を許さない判決を下して頂きますよう、切にお願い申し上げます。
亡くなった猪狩忠昭さん


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東京新聞、「東電『知らぬ存ぜぬ』」

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