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公正な判決を求める署名にご協力ください!

 

福島第一原発過労死裁判の高裁判決が19日に行われます

公正な判決を勝ち取るために賛同署名への協力を呼びかけます

 

20171026日、福島第一原発(イチエフ)構内の自動車整備工場で働いていた猪狩忠昭さん(57歳)は全面マスク・防護服姿のまま倒れ、帰らぬ人となりました。死因は致死性不整脈でした。東京電力は、猪狩さんの死亡当日に記者会見を行い「労災、過労死といったものではない」と発言。しかし、調査によって猪狩さんは亡くなる直前の半年間に毎月100時間を超える残業を強いられており、その残業代もまともに払われていませんでした。遺族の闘いが始まります。

 201810月、いわき労働基準監督署は猪狩さんの死を「長時間労働による過労が原因」として労災を認定。未払賃金の支払いを求める裁判でも勝利判決を勝ち取りました。

猪狩さんを雇用していた、いわきオールそして東京電力、元請け・宇徳を相手取り損害賠償請求裁判も闘われていました。

20213月、福島地裁いわき支部は雇用者いわきオールの安全配慮義務違反を認め約2500万円の支払いを命じる判決を下しました。しかしながら東京電力と宇徳への損害賠償請求は棄却され、闘いは仙台高裁・控訴審へと移行しました。

  控訴審は、イチエフ構内の緊急医療体制の不備を問う闘いとして展開されています。

猪狩さんが亡くなった当時、東急電力はイチエフで働く労働者に「傷病者発生の第一報はER(緊急医療室)へ」とするカードを配っていました。しかし、猪狩さんが倒れた時周囲に携帯電話を持っている労働者はひとりもいませんでした。整備工場にも電話は設置されていません。そのためERへの連絡ができず処置が遅れたことは明白です。東電も「23分の遅れ」は認めています。東電は傷病者発生の際に速やかにERへと架電できる体制を構築する義務があったのにそれを怠ったのです。

9月に行われた第一回口頭弁論では裁判長が東電の道義的責任を追求せんばかりの発言を行い和解が強く勧められ和解協議が始まりました。しかし協議で示された和解案は遺族の納得いくものではなく、遺族は控訴の原点に立ち返り救急医療体制の不備を問い判決を求めていきます。

  口頭弁論に先立ち、遺族は元イチエフ労働者の陳述書を提出しました。福島地裁での判決は「携帯電話の持ち込みは禁止していない」「作業員全員に携帯を支給するのは支出と管理が困難」という東電と宇徳の主張をそのまま認めていました。その地裁判決がイチエフの労働実態を無視したものであり、誤りであることを明らかにするためです。さらに全労協(全国労働組合連絡協議会)の申し入れによって猪狩さんの死亡当時、イチエフ構内に携帯電話の持ち込みを禁止していたとする東電の回答を証拠として提出しています。東京電力自体が裁判での主張を覆したと言えます。

以上の証拠提出について東電・宇徳は反論を行っていません。すでに結審をし、判決を迎えるという状況です。私たちはこの重要な陳述と証拠を充分に審理した公正な判決を求めます。高裁での闘いは最後の局面を迎えようとしています。イチエフでの救急医療体制の不備を問い、原発労働者の命を守りたいという遺族の闘いにさらなる支援を訴えます。

20223

【署名呼びかけ】

福島第一原発過労死責任を追及する会共同代表 狩野 光昭

全国一般労働組合全国協議会(中央執行委員長 平賀 雄次郎)

東京労働安全衛生センター事務局長 飯田 勝泰

いわき自由労働組合執行委員長 鈴木 裕

【署名集約先】
〒974-8403 福島県いわき市内郷綴町掘坂18-1 フクシマ原発労働者相談センター気付
 福島第一原発過労死責任を追及する会〈090-7564-3253(狩野)
※集約日4月15日(金)必着で、上記集約先に送付をお願いします。


※ご協力いただける方へ
*署名用紙は3種類用意しましたので、それぞれの都合に合わせてお使いください。(お手数ですが下部貼り付けてある画像をプリントアウトしてお使いください。複数種類の使用も可ですが、名前が二重になるのは不可です。例えば、署名用紙個人用と5人用両方に、同一の署名は行わないでください。)
*団体署名は、出来るだけ朱印の押印をお願い致します。
*団体個人を問わず、ご家族・友人・知人にも是非お声を掛けてください。
*「取り扱い団体」と「裁判官へ一言」の欄は、記入・未記入を問いません。
*郵便局が土曜日の普通郵便配達を廃止しましたので、4月15日(金曜日)必着でお願いします。
ご協力をよろしくお願い致します。
福島第一原発過労死責任を追及する会 事務局




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