裁判所が公平な判決を下すよう多くの方々の注目をお願いします。
原告ら訴訟代理人
弁護士 齊藤 正俊
この訴訟は、故忠昭さんが長期にわたって長時間の過重労働を余儀なくされた結果2017年10月26日、東京電力福島第一原発構内で致死性不整脈で突然死したことに対する安全配慮義務違反の責任を問う訴訟と、前記原発構内で働く労働者の急激な体調悪化や事故に備えた救急医療体制の不備により故忠昭さんが適切な医療サービスを受けられなかったことに対する責任を追及する訴訟、そして、故忠昭さんの死亡当日の東京電力の記者会見において、事実関係が把握し切れていなかったにもかかわらず東京電力が故忠昭さんの死亡と前記原発構内での作業との因果関係を否定した点の責任や隠蔽体質を追及する訴訟で成り立っています。
これらの訴訟の中でも、とりわけ長時間の過重労働をさせたままその状態を放置していわば過労死させたいわきオール等の責任を明らかにすることがメインですが、故忠昭さんが急激な体調悪化を来した場所は、史上稀に見る重大な原発事故を引き起こした東京電力福島第一原発構内ですから、このような過酷な就労現場における救急医療体制を東京電力が提供していたか、さらには東京電力にとって不都合な事実を過去に隠してきた同社の隠蔽体質を問う訴訟でもあります。
提訴以来約2年が経過しましたが、この間、被告らは自らの責任を否定し全面的に争う姿勢をとり続けてきました。しかし、故忠昭さんの過重労働については、提訴前の労災認定によって致死性不整脈で死亡した忠昭さんの長時間労働が認定されており、いわきオール等の責任は免れないと考えています。また、その他の東京電力と元請け宇徳の責任についても裁判所がどのような判断を示すか注目が集まります。
このような中で、それぞれの被告との間での争点が整理される中で、昨年12月の裁判手続において、今年3月1日午後全部を使って集中的に証人尋問等を行うことが決定され、尋問終了後は訴訟を終結することになりました。
3月1日は、いわきオールの当時の代表者、東京電力の社員(※)、そして故忠昭さんのご遺族の順に尋問を行うことになっています。新型コロナ禍の中で、裁判所でも感染防止対策を取っており傍聴にも一定の制約があると思いますが、是非多くの方々に裁判に注目していただき公正な判決を下すよう声を上げていただければと思います。
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報告集会で発言する齊藤弁護士 |
※直前になって被告・東京電力がER担当社員の証人申請を取り下げたため、証人尋問は原告・遺族3名と被告・いわきオール前社長のみになりました。
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