いわきオールへの抗議行動を終えたあと、小名浜公民館に移動。昼食をはさんで裁判報告集会に移りました。
報告集会への参加者は最終的に23名でした。
まず斎藤弁護士から残業代未払裁判について「長時間労働が原因で猪狩さんは亡くなった。
労基署がそう判断したから労災が認められた。オールの『長時間労働をさせていない』という主張は崩れ去っている。」、「企業は従業員の健康を守らなければならない。働かせる側は従業員の命を奪われないようにする義務がある。いわきオールは労働時間を管理する能力があるのにそれを怠った。」と、移動やミーティングの時間を労働時間として認めようとしないオールの主張の稚拙さを明らかにされました。
損倍裁判については「イチエフ救急救命体制を問う裁判。高い放射線という特殊環境のための装備で、体や精神に負荷がかかる。そのための医療・救急体制は万全でなければならないが、万全であったのか。これは猪狩さんだけの問題ではない。」と裁判の意義を確認。また損倍裁判のなかの東電記者会見について「労災認定の手続きのなかで、現場での労働で体調を悪化させたことが明らかになった。なのに東電は『現場での労働と関係ない』という記者発表をした。東電の責任逃れという体質が明らかになった。」と東電を激しく非難しました。
霜越弁護士は裁判の流れについて説明してくれました。
「残業代未払裁判の争点としては、始業・終業はいつなのか。我々はタイムカードを押した時間だと考えているが、オールは『タイムカードを押してから移動時間があった。』『帰社してからも仕事をしていない時間があった。』と主張している。しかし、時間管理は経営者の責任である。タイムカード以外にも管理の方法はあるのにそれを怠った。休憩時間も然り。」とオールの責任を明らかにしながらも、「イチエフ危険手当を(残業代計算の)基礎賃金に入れるかかどうかは、裁判所の判断しだい」と予断を許さない状況であることを説明されました。
損倍裁判については「忠昭さんと一緒にいた労働者3名が、3名とも携帯を持たされていなかった。その不備を追及したい。東電は『作業員全員に携帯を持たすのは不合理』と主張している。イチエフという特殊性や、猪狩さん以外にも事故が多く起こっているにも関わらず『経済的合理性を主張するのはおかしい』と追求して行く。」と発言。
また損倍裁判のなかの東電記者発表については「少なくとも充分な調査が出来ていないのなら『調査中』と発表すべきである。『因果関係がない』と言ったのは誤りだ」と東電を強く非難しました。
最後に「裁判所は和解を強く勧めている。しかし、遺族はお金が欲しいのではない。遺族の『想い』に応えるためにも、裁判で遺族が発言できるようにしていきたい」と決意を述べられました。
遺族のAさん(忠昭さんのお連れ合い)とIさん(Aさんの妹さん)が登壇されました。
Aさんは「夫の気持ちを生きているうちに聞くことができなかった。気持ちをちゃんと聞いてあげることができなかった。今働いている4,000人の方がどんな想いで働いているのか、何が不安で何が危険か、生の声を聞いてあげたい。」と今も働いている労働者への想いを語り、「3・11で亡くなった東電社員の方は東電の慰霊碑に名前が刻まれていると聞いた。社員ー下請けの関係なく、亡くなった方の慰霊碑を双葉郡に作りたい」と、これからの想いを語りました。(Iさんはまたサーターアンダキーを作ってきてくださいました。)
また、「報道では『作業員』と言われるが、体力的にも精神的にもたいへんな想いをしてみんな働いている。単なる『作業するひと』ではない。もっと尊厳を持って欲しい」と訴えられました。
最後にIさんから忠昭さん葬儀の場で流されたDVD(忠昭さん長男作成)の上映がありました。
次に特別報告として東京労働安全衛生センターの飯田事務局長から「ベトナム人技能実習生除染被ばく労働裁判」の報告がありました。2015年7月に来日したベトナム人技能実習生3名が鉄筋施工や型枠施工と言われながらも、実際は郡山市や本宮市、浪江町などので除染などに従事させられた問題です。
浪江町などの「除染特別地域」での除染作業を行う業者には特別教育の実施や、被ばくの危険性、防護対策などの知識や実務経験を提供しなくてはならないのに、3名はYouTubeにアップされた教育動画を見させられたのみ。
3名が加入した全統一労組は、雇用会社に情報開示・未払賃金の支払い・除染業務に従事させたことへの謝罪を求めたが、会社は拒否。東京都労働委員会へ斡旋を申請、そして9月に提訴に踏み切ったことが報告されました。
ずさんな安全対策のもと働かせれている技能実習生らが存在する一方で、「国は『発電所での特定技能外国人の就労は行わない』と報告しながらも、昨年の交渉では『建設工事に該当しない除染等に特定技能外国人を付随的に従事させることはありえる』としている」と警鐘を鳴らされました。
最後に遠方より駆けつけてくれた「あらかぶさんを支える会」や、「NPOウシトラ旅団」をはじめ時間の許す限り参加者からの感想や意見を表明してもらい、集会を終えました。
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
次回未払賃金裁判は12月24日が弁論(久しぶりの公開・証人申請)です。13時30分から福島地方裁判所いわき支部になります。お時間のある方は、ぜひご参加ください(裁判前12時30分からアピール行動、裁判終了後にいわき市労働福祉会館で報告集会を予定しています。こちらもぜひご参加ください)。
報告集会への参加者は最終的に23名でした。
まず斎藤弁護士から残業代未払裁判について「長時間労働が原因で猪狩さんは亡くなった。
損倍裁判については「イチエフ救急救命体制を問う裁判。高い放射線という特殊環境のための装備で、体や精神に負荷がかかる。そのための医療・救急体制は万全でなければならないが、万全であったのか。これは猪狩さんだけの問題ではない。」と裁判の意義を確認。また損倍裁判のなかの東電記者会見について「労災認定の手続きのなかで、現場での労働で体調を悪化させたことが明らかになった。なのに東電は『現場での労働と関係ない』という記者発表をした。東電の責任逃れという体質が明らかになった。」と東電を激しく非難しました。
霜越弁護士は裁判の流れについて説明してくれました。
「残業代未払裁判の争点としては、始業・終業はいつなのか。我々はタイムカードを押した時間だと考えているが、オールは『タイムカードを押してから移動時間があった。』『帰社してからも仕事をしていない時間があった。』と主張している。しかし、時間管理は経営者の責任である。タイムカード以外にも管理の方法はあるのにそれを怠った。休憩時間も然り。」とオールの責任を明らかにしながらも、「イチエフ危険手当を(残業代計算の)基礎賃金に入れるかかどうかは、裁判所の判断しだい」と予断を許さない状況であることを説明されました。
損倍裁判については「忠昭さんと一緒にいた労働者3名が、3名とも携帯を持たされていなかった。その不備を追及したい。東電は『作業員全員に携帯を持たすのは不合理』と主張している。イチエフという特殊性や、猪狩さん以外にも事故が多く起こっているにも関わらず『経済的合理性を主張するのはおかしい』と追求して行く。」と発言。
また損倍裁判のなかの東電記者発表については「少なくとも充分な調査が出来ていないのなら『調査中』と発表すべきである。『因果関係がない』と言ったのは誤りだ」と東電を強く非難しました。
最後に「裁判所は和解を強く勧めている。しかし、遺族はお金が欲しいのではない。遺族の『想い』に応えるためにも、裁判で遺族が発言できるようにしていきたい」と決意を述べられました。
遺族のAさん(忠昭さんのお連れ合い)とIさん(Aさんの妹さん)が登壇されました。
Aさんは「夫の気持ちを生きているうちに聞くことができなかった。気持ちをちゃんと聞いてあげることができなかった。今働いている4,000人の方がどんな想いで働いているのか、何が不安で何が危険か、生の声を聞いてあげたい。」と今も働いている労働者への想いを語り、「3・11で亡くなった東電社員の方は東電の慰霊碑に名前が刻まれていると聞いた。社員ー下請けの関係なく、亡くなった方の慰霊碑を双葉郡に作りたい」と、これからの想いを語りました。(Iさんはまたサーターアンダキーを作ってきてくださいました。)
また、「報道では『作業員』と言われるが、体力的にも精神的にもたいへんな想いをしてみんな働いている。単なる『作業するひと』ではない。もっと尊厳を持って欲しい」と訴えられました。
最後にIさんから忠昭さん葬儀の場で流されたDVD(忠昭さん長男作成)の上映がありました。
次に特別報告として東京労働安全衛生センターの飯田事務局長から「ベトナム人技能実習生除染被ばく労働裁判」の報告がありました。2015年7月に来日したベトナム人技能実習生3名が鉄筋施工や型枠施工と言われながらも、実際は郡山市や本宮市、浪江町などので除染などに従事させられた問題です。
浪江町などの「除染特別地域」での除染作業を行う業者には特別教育の実施や、被ばくの危険性、防護対策などの知識や実務経験を提供しなくてはならないのに、3名はYouTubeにアップされた教育動画を見させられたのみ。
3名が加入した全統一労組は、雇用会社に情報開示・未払賃金の支払い・除染業務に従事させたことへの謝罪を求めたが、会社は拒否。東京都労働委員会へ斡旋を申請、そして9月に提訴に踏み切ったことが報告されました。
ずさんな安全対策のもと働かせれている技能実習生らが存在する一方で、「国は『発電所での特定技能外国人の就労は行わない』と報告しながらも、昨年の交渉では『建設工事に該当しない除染等に特定技能外国人を付随的に従事させることはありえる』としている」と警鐘を鳴らされました。
最後に遠方より駆けつけてくれた「あらかぶさんを支える会」や、「NPOウシトラ旅団」をはじめ時間の許す限り参加者からの感想や意見を表明してもらい、集会を終えました。
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
次回未払賃金裁判は12月24日が弁論(久しぶりの公開・証人申請)です。13時30分から福島地方裁判所いわき支部になります。お時間のある方は、ぜひご参加ください(裁判前12時30分からアピール行動、裁判終了後にいわき市労働福祉会館で報告集会を予定しています。こちらもぜひご参加ください)。
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