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12・24裁判報告集会

 残業代未払裁判が久しぶりに公開(弁論)で行われる。ということで皆様には裁判傍聴とその後の報告集会への参加を呼びかけていました。
 しかし、12月24日当日の朝9時頃、突然裁判所から「裁判官がインフルエンザにかかったので、今日の弁論は延期に…」という旨の連絡が入りました(霜越弁護士が連絡を受けた時にはすでに新幹線に乗っていました)。
 
 「こんな事ってあるの?傍聴のために仕事休んだのに!!」とこぼしながら裁判所に向かいます(霜越弁護士は「私は初めての経験です」と語っていました)。集合時間の12時半には何名もの方が裁判所に来てくださいました。その方々に裁判所からの連絡をお伝えし、報告集会は予定通り行う旨の案内を行いました。
 裁判所にはその日の裁判の予定が張り出されていますが、「中止」「延期」などの記載は一切なし。
私たちが裁判所内で案内をしなければ、事情を知らない方は鍵のかかった法廷前で立ち尽くすしかありません。「不親切すぎる!!中止や延期の案内くらいは出すべきだろう!!」と裁判所に抗議しても、キョトンとした表情で「検討します」という返事。
 この日の弁論は証人申請についてでしたが、年明けに持ち越されてしまいました。

 弁護士のお二人ともがいわきに来てくださったので「裁判報告集会」は予定通り行いました。


弁護士のお二人からは「合議制なので裁判官がひとりでも欠けたら裁判ができない」と今日の事態の説明があり、「証人申請が認められれば、証人尋問のあと判決へと向かう。認められなければ結審ということもありえる」と今後の状況につて語られました。

 次にいわきオールへの申し入れ行動といわきオールの反応について、いわき自由労組から報告がありました。報告を行ったいわき自由労組と、11・30に駆けつてくれたふくしま連帯ユニオン・宮城合同労組からは「いわきオールは労災認定をうけても『時間外労働はなかった』とマスコミにコメントしている。行政決定を受けているのにその発言は許せない。裁判をしながらでもそのことに抗議するのは当たり前だ」。「いわきオールは申し入れ行動について『女性従業員が恐怖を覚えた』などと主張している。遺族と組合を分断しようとしているし、加害者が被害者の如く振舞おうとしている。」「過労死事件で労組が自主交渉を行い勝利和解した『ワタミ事件』のケースもある。係争中なので労組と交渉しないという理屈は通らない」。「労組が社前行動を闘うのは当然の行動。警察が介入しようとしたからと言って萎縮することなく行動を続けよう。」と更なる行動への決意が語られました。
 また斎藤弁護士は「いわきオールは追い詰められている。抗議行動・宣伝行動を止めれば労組はその社会的意義を失う。オールは労組の行動を嫌がっている。何とかして行動を止めさせたいのだろう。」と発言。あらためてオールへの行動の意義を確認しました。

 最後は会場全体にマイクを回して参加者ひとりひとりから発言をもらいました。
 原告であり、遺族のKさん(忠昭さんご長男)からは「毎年、この時期になると年越し蕎麦を作っていた親父の姿を思い出していました。でも今はこうして集まってくれたたくさんの方の姿から父の事を思い出したり、考えることができます。長い闘いになりますがこれからもよろしくお願いします。」と発言していただきました。
「遺族の想いを聞くたびに胸が詰まります。何もできませんが精一杯応援したいと思います。」と涙声での会場からの発言に、私たちはまた闘う決意を静かに固めたのでした。
 

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